nQuery
nQuery導入事例紹介

  

ケーススタディ | CASE STUDY

日本人に多い大腸癌患者の最新ケア
- nQueryで行う臨床試験の最適化 -

ステージIIの大腸癌の臨床試験では初となる適切な標本サイズの計算

京都府立医科大学生物統計学講座の主任として、手良向聡教授は多くの医師主導臨床試験を先導しています。

臨床試験デザインの分野で35年以上の経験を有し、手良向教授が上梓した論文は300を超え、引用された文献は1,000以上に及びます。単群探索的臨床試験のベイズ流予測標本サイズデザインから、ステージII大腸癌に対する補助療法に焦点を当てた唯一のランダム化対照試験(SACURA)の計画・実施まで、手良向教授が携わったプロジェクトは多岐にわたります。

2015年以来、大腸癌は日本で最も罹患率の高い癌となっています。ステージIIIの大腸癌に対する補助化学療法は標準ケアとして国際的に認められおり、有効性も立証されていますが、ステージIIの大腸癌に対する有用性については未だに意見が分かれています。

ステージIIの大腸癌手術を受けた患者が最善の治療を確実に受けることができるように、手良向教授らのチームは、ステージIIの大腸癌に対する補助化学療法と補助療法を行わない場合(観察)とを比較しベネフィットの検証に着手し、補助化学療法からベネフィットを得るサブグループの検討を行いました。ここで、手術単独を上回る補助化学療法のベネフィットを立証するためには、再発率が概して低いため、大きな標本サイズが必要になるという課題に直面します。

臨床試験デザインにおける主な課題

  • 試験の複雑さの増大
  • 規制の変化
  • ソフトウェアの正確性の確保
  • 時間効率

臨床試験デザインを最適化するためのソリューション:nQuery

試験計画策定や実施計画書作成の段階で、手良向教授らのチームは試験の倫理的・科学的適切性について客観的に検討しました。

標本サイズが小さすぎると、決定的とはいえない結果を生み出す可能性があります。一方で、標本サイズがあまりに大きいと、少ない資源を浪費し多くの患者を必要以上のリスクに曝す可能性があります。適切な目標標本サイズ(2,000人)を算出するためnQueryが使用され、標本サイズは両側有意水準0.05、検出力0.9、および期待ハザード比0.729から決定されました。

この臨床試験において、nQueryは信頼性と正確性のある計算結果の出力だけではなく、標本サイズを記述してアウトプットする際にも利用されました。これらの機能を利用することで、試験実施計画書および統計解析計画書に要する時間をさらに節約することができたとのことです。

臨床試験においてnQueryは、効率的な試験デザインと成功率の向上をもたらしています。

日本人に多い大腸癌患者の最新ケア- nQueryで行う臨床試験の最適化 -

世界で最も信頼されている臨床試験デザインのプラットフォーム

  • 規制当局の承認
  • コスト削減と成功確率の向上
  • より適切で早い段階での柔軟な意思決定
  • 患者へのリスクを低減させる倫理的かつ効率的な臨床試験デザイン
京都府立医科大学生物統計学講座手良向聡教授
京都府立医科大学生物統計学講座
手良向聡教授

20年ほどnQueryを使用しています。私にとってQueryは臨床試験デザインにおける標本サイズ設定の際に、最も信頼できるツールの1つです。複雑な計算を行うときに、統計ソフトウェアの信頼性はとても重要ですが、nQueryはその点をクリアしています。使いやすく、α消費関数などのグループ逐次デザインの棄却値を計算する際に役立っています。

手良向教授は、適応的ベイズ流臨床試験や固定デザインにおける臨床試験デザインおよび標本サイズ計算の信頼できるデジタルツールとしてnQueryを活用し、全疾患に対する新規治療法の評価・開発に不可欠な役割を果たす数多くの臨床試験・プログラムを推進しています。

著書紹介

なぜベイズを使わないのか!?-臨床試験デザインのために-
なぜベイズを使わないのか!? -臨床試験デザインのために-

本書ではベイズ流による臨床試験のデザインを事例を交えて解説しています。

第1章で統計学の基本的な考え方と、頻度流・ベイズ流の違い、使い分けがわかりやすく説明し、第2章では医学者がベイズ流統計専門家と協力して臨床試験をデザインする上で求められる知識が事例とともに紹介されています。また、既にベイズ流が浸透しつつあるアメリカFDAのベイズ流臨床試験ガイダンスの翻訳が収録されており、アメリカにおける臨床試験・治験の動向を把握できるようになっています。

本書の目次は出版社:金芳堂のウェブページよりご覧いただけます:
https://www.kinpodo-pub.co.jp/book/1723-8/

出版社:金芳堂
定価 3,520円(本体 3,200円+税10%)
A5判・170頁
ISBN978-4-7653-1723-8
2017年08月刊行