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対数の復習

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対数の復習

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常用対数 (底を 10 とする)

例を使用すると、対数を理解しやすくなります。10 の 3 乗 (10 x 10 x 10) は 1000 です。対数はこの累乗関数を逆にしたものです。1000 の対数 (底を 10 とする) は、答えが1000 になる 10 の累乗です。つまり、1000 の対数は 3 です。10 を 3 回掛けると 1000 になります。

10 の負の累乗について考えます。たとえば、10 の -3 乗は、103 の逆数と同じです。つまり、10-3 は 1/103 または 0.001 に等しくなります。0.001 の対数は、0.001 と等しい 10 の累乗、つまり、 -3 です。

10 の分数乗について考えます。10 の 1/2 乗は 10 の平方根、つまり 3.163 です。したがって、3.163 の対数は 0.5 です。

10 のゼロ乗は 1 です。したがって、1.0 の対数は 0.0 です。

任意の正数に対して対数を求めることができます。0 から 1 の間の値の対数は負の値、1 よりも大きな値の対数は正の値になります。ゼロおよび負の値の対数は定義されません。10 の累乗でゼロまたは負の値となるようなものは存在しません。

底が別の値の場合の対数

前述の項で示した対数は、底を 10 とする対数と呼ばれます。10 の累乗を計算するためです。これらは常用定数とも呼ばれます。

対数は底がどの値であっても計算できます。数学者の間では、底 e (2.7183…) を使用する自然対数が一般に使用されます。 ほとんどの科学者にとっては、底を e とする対数はその名前に反して自然には見えないため、底を 10 とする対数の方がはるかに好まれる傾向にあります。

生物学者の中には、気付かずに底を 2 とする対数を使用する人もいます。底を 2 とする対数とは、ある値に達するまで倍にする回数のことです。つまり、底を 2 とする場合の 16 の対数は、1 から始まめて 4 回倍増すると結果が 16 になるため (2、4、8、16)、4 です。免疫学者は抗体を連続的に 2 倍に薄めていくことがよくあるため、log2 スケールでデータをプロットにすることがよくあります。細胞生物学者は底を 2 とする対数を使用して細胞数を倍加数に変換します。

別の底を使用する対数同士は互いに比例します。つまり、自然対数から常用対数への変換は単位変換のようなものです。自然対数を 2.303 で割ると、同じ値の常用対数を計算できます。常用対数に 2.303 を掛けると、その自然対数を計算できます。

対数の数学的な性質

対数では、乗は和に、除は減に、べき乗は乗にそれぞれ変換されます。

log(A.B) = log(A) + log(B)

 

log(A/B) = log(A) - log(B)

 

log(An) = n.log(A)

真数

真数は対数変換の逆です。1000 の対数 (底を 10 とする) は 3で、3 の真数は 1000 です。底を 10 とする対数の真数を計算するには、10 をその累乗します。

自然対数の真数を計算するには、e をその累乗します。1000 の自然対数は 6.980 です。したがって、6.908 の真数は e6.908、つまり 1000 です。スプレッドシートやコンピューター言語では exp(6.908) という表記が使用されます。

対数 (logarithm) とよく似た用語:  logit と logistic

英語の logistic という語は logarithm と関係があるように見えます。実際、logistic には 3 つの異なる意味がありますが、すべてが logarithm と関係しているわけではありません。

ロジスティック回帰で使用される logit 関数は、確率 (P、0.0 から 1.0 の間の値) を 1-P で割った値の自然対数です。

Logit(P) = ln[P/(1-P)]

lognormal (対数正規) 分布は、対数が ガウス分布に従っている値の分布です。対数正規分布自体は右に裾の長い非対称です。これは非対称と誤解されやすく、分布の裾の値は外れ値として誤って除外されることがあります。

“log(x)” という表記は意味が異なることがある

Prism の変換と式では、log() 関数は常用 (底を 10 とする) 対数を計算します。

一部のコンピューター言語 (JavaScript など) では、log(x) は常用対数ではなく自然対数を示すことがあります。Excel の場合はこれが特に紛らわしくなります。Excel のワークシート関数では、log(X) は常用対数ですが、Excel VBA マクロでは log(X) は自然対数です。

“ln(X)”という表記は、Prism では自然対数です。