SnapGeneの基本操作
このチュートリアルでは、SnapGeneの基本的な操作方法について学びます。使用するデータもダウンロードできるようになっており、ハンズオンで実際に操作することでより深く SnapGene の機能や操作方法を学ぶことができるようになっています。
1. SnapGene 画面構成
カーソルを画面左に移動させると、フォルダパネルが表示されます。
フォルダ名の右横にある (3点リーダー)をクリックし、「Open Project Folder」 を選択し、コンピューターシステム上にある任意のフォルダを選択します。フォルダパネルに選択したフォルダがプロジェクトフォルダとして作成され、サブフォルダとファイルが階層的に表示されます。
1-1. フォルダパネル
フォルダ Open Folder ボタンをクリックし、システムにある任意のフォルダ(プロジェクトフォルダ)を選択します。

選択したフォルダが、プロジェクトとして表示されます。

別のプロジェクトフォルダを開く場合、フォルダ名の右横にある (3点リーダー)をクリックし、「Open Project Folder」 を選択します。

新しいフォルダを追加する場合は、フォルダパネル上で右クリックし、メニューから「新しいフォルダ」を選択します。

1-2. タブ
タブ名の右側に・(黒丸)が表示されているファイルは、保存されていないファイルになります。フォルダパネルに表示させるには、ファイルを保存する必要があります。

: ファイルは保存されています。
: ファイルは保存されていません。
: インポートしたファイルです。ファイルは保存されていません。
2. SnapGeneを起動する
本チュートリアルでは、pcDNA3.1+/C-Myc を使用します。下記ページより、pcDNA3.1+ C-Myc.dnaファイルをダウンロードして任意の場所に保存してください。
Mammalian expression vector with a CMV promoter for expressing C-terminally Myc-tagged proteins.
www.snapgene.com
SnapGeneを起動すると次のような画面になります。
3. ファイルを読み込む
開くボタンをクリックし「ファイルを開く」を選択し、ダウンロードしたプラスミドデータ(pcDNA3.1+ C-Myc.dna)を読み込みましょう。
ファイルを指定する画面が出てきたら、ダウンロードしたファイルを選択して「開く」を押してください。次のような画面になっていれば、読み込み成功です。
4. サイドツールバー
画面左端のツールバーから、マップやシークエンスの表示形式を変更することが可能です。
4-1. サイドツールバーの詳細
制限酵素の表示切替
制限酵素の表示切替(表示/非表示)ができます。右側にある矢頭をクリックすると、制限酵素の種類を選択できます。
フィーチャーの表示切替
フィーチャー(CMV promoterなど)の表示切替を行います。
プライマーの表示切替
プライマー情報を含んでいる配列データの場合は、プライマーも表示されます。プライマーの表示切替(表示/非表示)を行います。
翻訳の表示切替
オープンリーディングフレーム(ORF)の表示切替ができます。デフォルトでは、「開始コドン(ATG)があり、最小アミノ酸数が75以上」の場合にORFと判断するよう設定されています。右側にある矢頭をクリックすると、表示するORFの設定を変えることができます。「翻訳オプション」でORFと判断する条件を変えることもできます。
色の表示切替とGC含有の表示
任意のフィーチャーに色を付けたり、GC含有量に応じた色分けを表示させることができます。右側にある矢頭をクリックすると、詳細設定ができます。
アライメントの表示
選択されている配列ファイルを参照配列とし、配列のアライメントを行います。
SnapGene は参照配列にマッピングを行う機能はありません。参照配列にアライメントを行う場合、各リードは参照配列に対して個別にアラインメントされます。
フィーチャーをライン上に載せる
フィーチャーの表示をラインの内側からライン上に変えることができます。
フィーチャーラベルの表示切替
T7 promoterなどのフィーチャーラベルの表示切替ができます。右側にある矢頭をクリックすると、表示方法(内部と外部のフィーチャーラベル/内部のフィーチャーラベルのみ)を変えることができます。
位置の表示切替
制限酵素やプライマーの塩基の位置の表示切替(表示/非表示)ができます。
:水平マップに切替
水平マップを表示できます。環状マップでは見にくい時に使用すると便利です。
:ミニマップ
シークエンスビューの上部にミニマップを表示します。
:別のフォーマットを使用
シークエンスのフォーマットを切り替えます。
:3文字アミノ酸コードを使用
アミノ酸コードを1文字表記と3文字表記に切り替えます。
:ライン幅を 100bp で固定
ライン幅を 100bp で固定することが可能です(デフォルトでは、画面表示のサイズに応じてライン幅が変わるようになっています)。
5. 画面表示の切替え
画面表示の切り替えは、下方にあるビュータブで行います。
5-1. シークエンスビュー
シークエンスビューでは、全長の塩基配列を確認することができます。 シークエンスビューでもツールバーを使うことができるので、制限酵素やORFなどの表示切替ができます。
また、塩基配列の編集もすることができます。例えば、777塩基目のグアニン(G)をアデニン(A)に変更する場合は、該当箇所をドラッグして “A” を入力します。
ダイアログが開き、選択した塩基(777塩基目)と変更する塩基がフィールドに入力されているのを確認し、「挿入」ボタンをクリックすると編集が完了します。
編集内容を取り消す場合は、ツールバーにある「取り消す」で元に戻すことができます。
5-2. 酵素ビュー
プラスミドに含まれる制限酵素認識部位の詳細を見ることができます。 チェックボックスをクリックすることで、任意の制限酵素を追加したり除外したりすることもできます。
また、「酵素の選択」から任意の酵素セットを作成することもできます。研究室でよく使う制限酵素セットを作成しておくと便利です。
「酵素の詳細設定」から、ドロップダウンメニューに表示するサプライヤーの優先順位や表示する数を変更することが可能です。
5-3. フィーチャービュー
フィーチャー(T7 promoterなど)の詳細を確認したり、任意のフィーチャーを除外をすることができます。
左下の「完全な説明」のチェックを外すと、簡易版を見ることができます。
追加したフィーチャーもフィーチャービューで確認することが可能です。
シークエンスビューで任意の領域をドラッグして、ツールバーの「フィーチャー」から「フィーチャーを追加」をクリックすると、任意をフィーチャーを追加することができます。
5-4. プライマービュー
プライマー情報の詳細を確認することができます。シークエンス用プライマーなどをプラスミドごとに登録しておくと便利です。
SnapGeneファイルにプライマー情報が登録されている場合は、ツールバーの「プライマー(P)」から「プライマーをインポート」をクリックすると、そのプライマーを追加することができます。
また,シークエンスビューで任意の領域をドラッグして、ツールバーの「プライマー(P)」から「プライマーを追加(A)」をクリックすると、任意のプライマーを追加することができます。
追加したプライマーもプライマービューで確認できます。
5-5. 履歴ビュー
編集の履歴を自動で記録し表示します。例えば、先に行った「777塩基目のグアニンをアデニンに変更」もしっかりと記録されています。