カプランマイヤー

Prism機能紹介:カプランマイヤー生存曲線

生存曲線(survival curves)はアウトカムが死(または他の類似の1回限りの事象)に至るまでの時間である実験の結果をプロットしたものです。Prismはカプランマイヤー(Kaplan-Meier)法を用い、生のデータから生存曲線を作成すると共に、ログランク検定及びGehan-Breslow-Wilcoxon検定により、複数の生存曲線を比較する機能も用意されています。

基本概念:カプランマイヤー生存曲線

臨床や動物実験においてアウトカム(outcome)が生存時間ということは良くあります。その場合の研究目的は治療が生存時間に影響を及ぼしたかどうかを判定することにあります。PrismはKaplan, Meierが開発したproduct limit methodを用いて生存曲線を作成、それをログランク(logrank)検定とGehan-Wilcoxon検定を用いて比較します。

打ち切りデータ

生存曲線を描くことはそれほど簡単なことではありません。難しい点は個々の対象の生存時間がはっきりと分かっているケースが少ないという点にあります。

  • 対象の中には調査終了時点で生存しているものがいます。どれだけ生きてきたかはわかっても、まだどれだけ生存を続けるかは知る由もありません。
  • 調査からのドロップアウト -- 抜ける理由としてはいろいろとあるでしょう。別の町に移転したとか、プロトコル上許されない医療を受けたくなったとかが考えられます。プロトコルに従ってどれだけの期間生きてきたかはわかりますが、その後どれだけ生存を続けたかはわかりません(あるいはわかっていてもプロトコルから離脱しているためにその情報を利用することができないこともあります)。いずれにしてもこれらの患者に関する情報は打切られた(censored)と言います。

これら打切られた観測データを分析から消去したいとは思わないでしょう。必要なことはその旨適切に説明することです。“打切られた”という用語は対象が何か不適切なことをしたかのような印象を与えます。しかしそうではありません。“打切られた”という言葉は単に、ある時点以降の生存について情報がない、あるいは利用できないことを意味するものです。Prismは生存曲線を作成し比較する際に打切られたデータを適切に処置します。

“生存”という用語について

生存曲線というのは少々制限的な表現です。アウトカムは死に限ったことではなく、対象ごとに一度だけ起る任意の終端点であって良いからです。それは移植血管の閉塞、腫瘍の最初の転移、移植された腎臓の拒絶反応といったものでも良いのです。イベントは、もちろんこのような暗い結末に限ったものではありません。イベントは、腎臓機能の回復、病院からの退院、卒業といった事象であっても構いません。

他の種類の生存データの解析

ある種の生存データは非線形回帰の手法を用いた方がうまく分析できます。例えば細胞の生存曲線の分析に際し、生存率(Y)を放射線被爆量(X)の関数でプロットした場合、本セクションで記述する手法は使用すべきではありません。本セクションで説明する分析法はXが時間であり、かつ個々の対象の生存時間がわかっている場合にのみ有効となるものです。

比例ハザード回帰

Prismに組み込まれている分析法では2群以上の生存曲線を比較することができます。しかしこれらの手法(logrank検定、Gehan-Breslow-Wilcoxon検定)は、対象間に対応関係があったり、年齢、性別等によって調整を行いたいようなケースを扱うことができません。この種の問題に対しては比例ハザード回帰(proportional hazards regression)を使う必要がありますが、Prismではサポートされていません。

 

NOTE:
Prism 8では3群以上の比較の場合、検定に使用する式がSPSS/SASと同じ式を使用する(デフォルト)かPrism 5以前と同じ式を使用するか選択できるようになっています。分析ダイアログの設定でPrism 5以前の式を選択すれば、Prism 5と同じ結果が得られます。

Statistics Guide: Key concepts. Survival curves

カプラン・マイヤー生存曲線を用いた統計・グラフ作成

1. 生存分析テーブルの作成

この例では、処置群(Treated)とコントロール群(Control)の2つの群で生存曲線を作成します。

 

WelcomeダイアログのNEW TABLE & GRAPHよりSurvival を選択します。ここではサンプルデータを使用しますので、Data table: から Start with sample data to follow a tutorial を選び、Select a tutorial dataset: からComparing two groups を選択します。

2. 生存時間の入力

サンプルデータにはすでにデータが用意されています。実際にデータを入力する場合は、下記の点に留意ください。

  • 死(またはトラッキングしている事象)、または打切りまでの時間をXカラムに入力します。時間の単位としては都合の良いもの(日、月、等)を適宜使用できます。時刻ゼロは特定の日付である必要はありません。それは個々の対象が調査に加わった日時として定義されるため、対象によって日付が異なっていても構いません。臨床的な調査の場合には患者を募集するのに時間を要するため、時刻ゼロが数年にまたがることもあります。時間の値は数値で入力してください。日付を直接指定することはできません。
  • Xカラムに示される時点で対象が死亡(あるいは特定の事象が発生)した場合には、該当するY列に“1”を入力します。対象データが 打切られた(censor) 場合には“0”を入力します。生存研究のあらゆる対象は、死ぬか、打切られます。
  • 処置群ごとに異なるY列を使用してください。最初の群に属する対象のXデータはテーブルの先頭から順に入力して行きます。その際、Yコードは最初のY列に入力します。第2の群に属する対象のXデータは第1の群に続く形で入力します(Xデータはソートしてある必要はありませんし、同じ値が何回も出現しても構いません)。対応するYコードは2番目のY列に入力し、最初の列はブランクのままにしておきます。右図の場合、群Aのデータは最初の10行に入力され、群Bのデータは行11から始まっています。
  • 処置群のデータが本質的に順序付けられている場合(恐らく用量順)、データ入力に際してもその順序をキープするようにしてください。またカラムAからB, Cへの遷移は処置群の自然なオーダに従うようにしてください。処置群のデータが本質的に順序付けられている場合(恐らく用量順)、データ入力に際してもその順序をキープするようにしてください。またカラムAからB, Cへの遷移は処置群の自然なオーダに従うようにしてください。処置群にそのような順序性がない場合にはどう並べ変えても構いません。
  • 列に入力されたデータによる行の数が処置群の人/動物/何かの数と一致することをダブルチェックしましょう。

3. 結果の表示

生存分析機能は他の分析機能と異なる動作をします。生存表を選択した場合、Prismは自動的にデータの分析を行うので、Analyzeボタンをクリックする必要はありません。 ナビゲータのResults にある Survival of Two groups をクリックすると結果シートが表示されます。

 

結果シートは、# at riskタブ、Curve comparisonタブ、Data summaryタブで構成されています。データセットが複数ある場合、曲線間の比較を行うログランク検定の結果も収納されています。

 

 

 

4. グラフの表示

データ入力を入力すると自動的にグラフが作成されます。ここに示されているように生存曲線は通常階段状のグラフとなります。それぞれの死は生存率の低下として表され、データはティックマークでプロットされます。従ってティックマークは対象のデータが打切られた(censored)時点を示すことになります。

5. At Riskの対象数

GraphPad Prismはそれぞれの時点においてAt Riskの対象数をテーブル化します。At Riskの対象数は対象が死んだり打切られたりするたびに減少します。 Prismはこのテーブルを自動的にはグラフ化しません。At Riskにある対象数の時間変化をグラフ化したい場合には次のように操作します。

Prism8

1. 結果シートに表示されるサブページのタブ(# at risk)をクリックします。
2.メニューバーの「New」をクリックし、メニューから「New Graph of Existing Data」を選択します【右図参照】。
3.グラフの種類で「XYプロット」を選択、エラーバーなしのグラフを選択します。
4.Y軸タイトルを"At Riskの対象数"、X軸タイトルを"日数"に変更します。

Prism8以前

1. Resultsフォルダの結果の右向き三角矢印をクリックすると、サブページが表示されます。サブページから、「# of Subjects at risk」を開きます。

2.「New」をクリック、「Graph of existing data」を選択します。

3.「XYプロット」を選択、エラーバーなしのグラフを選択します。

4.Y軸タイトルを"At Riskの対象数"、X軸タイトルを"日数"に変更します。

 

Prism8ではナビゲータのResultsフォルダにサブページの表示は無くなり、タブ表示に切り換わりました。結果シートに表示されるタブをクリックして表示するようになりました。

Statistics Guide: How to: Survival analysis

カプランマイヤー法による生存曲線

独習用のテキストと動画をご利用いただけます。

GraphPad Prism バイエル | カプランマイヤーの生存分析

  1. 生存曲線のデータ入力
  2. 分析とグラフ作成の自動実行
  3. 設定の変更
  4. At Riskの対象数のグラフ化

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